第6回 遺伝だから仕方がない?
指導をしているとよく、「うちは糖尿病家系だから」とか「家族みんな高血圧なんで遺伝なんですよ」と言われる方がいらっしゃいます。
家系だから、遺伝だからしかたがない??
私は逆じゃないかなと思います!家系だから、遺伝だから人よりも気をつけないと病気になりやすいのではないでしょうか。
糖尿病の多くは無症状です。ですので糖尿病になっていると知らないまま進行してしまい、気づいた時には合併症が併発していてどうにもならないという方が多くいます。
糖尿病の合併症は
- 糖尿病性網膜症 (自覚のないまま進行し、最悪失明します)
- 糖尿病性腎症 (人工透析の原因の第1位です)
- 糖尿病性神経障害 (小さな傷から足の壊死を起こし足の切断に至ります)
これほどの合併症が出てしまってからも遺伝だからしかたがないと言えるのでしょうか。
そもそも糖尿病が遺伝するのかは、半分は正解、半分は間違いと言えます。というのも両親が糖尿病だと本人も糖尿病になりやすい体質になりますが必ずしも発症するとは限りません。
遺伝的素因を持っている人が乱れた生活を送ると高確率で発症してしまうというだけで、本人が気をつけていれば予防は可能です。
それよりも怖いのは生活習慣や好みが似ている(遺伝している)がために家族全員が糖尿病になりやすい環境に置かれているということです。
この負の連鎖を断ち切るためにも、遺伝だからで済まさずに自分はならないという強い気持ちを持つことが必要ではないでしょうか。
高血圧でも同じようなことが言えます。
両親とも高血圧の場合、その子どもが高血圧になる確率は約50%。両親のどちらかが高血圧の場合は約30%、どちらも高血圧ではない場合は10%にも満たないと言われています。
いずれにしても確率は50%以下、これを遺伝のせいにして何もしないのはもったいないです。
ちょっとした減食・減塩で防げる病気はぜひとも防ぎましょう。